履歴書の写真をアプリで作る作業は、5つの工程に分かれます。場所と光を決める、撮る、背景と明るさを整える、縦4:横3に切る、JPEGで書き出す。このうちアプリが担当するのは後半の3つだけです。前半の2つは自分の手でやることになり、そして仕上がりを決めるのも前半です。
理由は単純で、背景の写り込みやサイズのずれは後から直せますが、逆光で暗く潰れた顔と、至近距離の自撮りで歪んだ輪郭は、ソフトウェア側で元に戻しにくいからです。だから撮影のセットアップに時間を配分します。初回の所要時間は15分前後、2回目からは5分で終わります。
なお、この記事は補正型の証明写真AI「シャインフォト」の編集部が書いています。どのアプリを使うかの比較はしません。選ぶ基準は「証明写真アプリの選び方」に7項目でまとめてあるので、まだ決まっていない人はそちらを先に読んでください。この記事は、使うアプリが決まっている前提での作り方です。
全体像:5工程と、どこでつまずくか
| 工程 | やること | 目安 | つまずく点 |
|---|---|---|---|
| 1. 準備 | 壁・光・カメラ位置を決める | 5分 | 逆光。ここを外すと全部撮り直し |
| 2. 撮影 | 目の高さから5〜8枚 | 3分 | 自撮り距離による歪み |
| 3. 補正 | 背景の無地化と明るさ | 2分 | 髪の輪郭が背景に溶ける |
| 4. トリミング | 縦4:横3に切る | 2分 | 目分量で切って顔が偏る |
| 5. 書き出し | 形式・長辺・ファイル名 | 1分 | HEICのまま提出して弾かれる |
工程1と2が撮影、3から5がアプリの担当範囲です。以下、順番に具体的な数値を出します。
準備:壁と光とカメラ位置
撮る場所は、次の3条件を満たす場所を家の中から1箇所探します。
- 無地の壁がある。白か薄いグレーが扱いやすい。クローゼットの扉、玄関のドア、無地のカーテンでも代用できます。冷蔵庫やガラス面は光が反射するので避けてください
- 窓が正面にある。窓に顔を向けて立てる位置。窓と自分の距離は1〜1.5mが目安です
- 壁から30〜50cm離れて立てる余裕がある。壁に背中をつけると、自分の影が背景に落ちます
撮影は昼間に行います。晴天の直射日光が顔に当たると影が硬く出るので、レースカーテンを1枚引いて光を柔らかくしてください。夜間に室内照明だけで撮ると、顔色が黄色や青に転びます。この色被りは後から調整できなくはありませんが、肌の階調が荒れるため、昼間に撮り直したほうが早く終わります。
カメラは目の高さに固定します。三脚は要りません。棚の上に本を数冊積み、スマホを立てかけて角度を調整すれば足ります。手持ちで撮ると水平が傾き、証明写真として見たときに違和感が出ます。
服は背景と同化しない色を選びます。白い壁の前で白いシャツを着ると、肩の輪郭が飛んで首から上だけが浮いた写真になります。白背景で撮るなら濃い色のジャケットを羽織るか、背景をグレーにしてください。背景色の考え方は「証明写真の背景色」にまとめています。
撮る:距離・構図・枚数
- 外側のカメラを使う。内側(自撮り用)のカメラは機種によって解像度が低く、印刷したときの粗さに出ます
- 1.5〜2m離れる。歩数にして2〜3歩。腕を伸ばした30cm前後の距離では、レンズに近い鼻が大きく、輪郭が細く写ります
- グリッド表示をオンにする。目線が写真の上から3分の1あたりに来る高さに合わせます。頭頂部の上には少し余白を残してください
- 画面の顔をタップして露出を合わせる。そのまま明るさのスライダーを少しだけ上げると、顔に光が回ります。上げすぎて額や鼻筋が白く飛ぶと、そこは後から戻せません
- タイマーは10秒にして5〜8枚撮る。口を閉じた表情、口角を軽く上げた表情、顎を1cmほど引いた姿勢の3パターンを撮り分けると、選ぶときに迷いません
- 撮った直後に等倍まで拡大して確認する。前髪が目にかかっていないか、襟が折れていないか、眼鏡のレンズに天井の照明が映っていないか
眼鏡の反射は、顎をわずかに引くか、フレームの後ろ側を少し持ち上げると消えます。それでも残る場合は、窓に対して体を15度ほど斜めにして、顔だけ正面に戻してください。撮影そのもののコツをもう少し広い用途で知りたい場合は「証明写真はスマホ撮影でOK?」にまとめてあります。
整える:アプリで動かす3つだけ
撮った1枚をアプリに読み込ませてから触るのは、次の3項目です。
| 項目 | やること | 確認の基準 |
|---|---|---|
| 背景 | 白・青・グレーの無地に置き換える | 髪の毛の輪郭が背景に溶けていないか等倍で見る |
| 明るさ | 顔が沈んでいれば持ち上げる | 額と鼻筋が白く飛んでいないか |
| トリミング | 縦4:横3に切る | 頭頂部の上に余白、肩が少し入る |
背景の置き換えで一番出やすい失敗が、髪の輪郭の欠けです。処理後に等倍で頭の外周をなぞって見て、毛先がギザギザに切れていたり、耳の横が背景色に食われていたりしたら、その1枚は使わずに別のカットで試してください。髪と壁の色が近いほど起きやすいので、暗い髪なら明るい壁、という組み合わせが処理しやすくなります。
トリミングの比率は縦4:横3を保ちます。枠に合わせて縦や横に引き伸ばすと、顔が一目で分かるほど不自然に変形します。合わせるのは常に切り取りです。頭上の余白は何ミリか、顔は写真の何割を占めるべきかといったミリ単位の基準は「履歴書写真のサイズ」に数値でまとめています。
美肌・小顔・目の拡大といった機能がプリセットで入っているアプリでは、そこをオフにしてから書き出してください。履歴書の写真は面接で本人と突き合わされる写真です。顔の造形を変えると、写真と本人が一致しなくなります。規格調整と造形変更の線引きは「証明写真の加工はどこまでOK?」で整理しています。
書き出す:決めるのは3つ
最後の工程で指定するのは、ファイル形式・長辺のピクセル数・ファイル名の3つだけです。指定がなければJPEG(.jpg)で書き出します。ピクセル数は、大きく作って必要に応じて縮めるのが原則です。指定より大きいデータは縮小できますが、小さいデータを引き伸ばすと画質が壊れるためです。
用途別のピクセル数の目安は「履歴書写真のサイズ」の早見表にあります。募集要項にピクセル数や容量の指定がある場合は、そちらが最優先です。指定の読み方、iPhoneのHEIC形式をJPEGに切り替える手順、容量が上限を超えるときの落とし方は「履歴書写真のデータ提出」に分けてまとめました。Web応募でアップロードが弾かれる原因は、この形式と容量にほぼ集中しています。
うまくいかないときの対処
症状ごとに、撮り直しが要るものと後処理で片付くものを分けます。
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 顔が暗い | 窓を背にして撮った(逆光) | 撮り直し。窓に顔を向ける。後処理で持ち上げると顔がざらつく |
| 背景に家具や柄が写る | 無地の壁が見つからなかった | 後処理。背景の置き換えで解決する |
| 背景に自分の影が落ちる | 壁に近すぎる、照明が背後にある | 撮り直し。壁から30〜50cm離れる |
| 顔が歪む、鼻が大きい | 至近距離の自撮り | 撮り直し。1.5〜2m離してタイマー |
| 眼鏡が白く光る | 天井照明や窓がレンズに映り込んだ | 撮り直し。顎を引くか体を15度斜めにする |
| 肌が黄色い、青い | 夜間の室内照明 | 撮り直しが早い。色補正でも直るが階調が荒れる |
| サイズが枠に合わない | 目分量でトリミングした | 後処理。縦4:横3で切り直す |
この表の要点は、逆光と歪みだけは後から戻せないという一点です。背景と明るさとサイズは、撮影が多少雑でも後工程で吸収できます。準備に5分を使うのはこのためです。
紙の履歴書に貼る場合
データができたら、紙焼きはコンビニのマルチコピー機で作れます。データを1枚持っておくと、応募先が増えても焼き増しは印刷代だけで済みます。店ごとのメニューの違いと持ち込み手順は「履歴書の写真をコンビニで印刷する手順」にまとめてあります。
紙に貼る前の確認事項(裏面への氏名記入、のりの選び方、貼付位置)と、履歴書の写真ルール全体は「履歴書の写真ガイド」で確認できます。
公的な申請用の写真は別枠で考える
パスポート・マイナンバーカード・運転免許証などの申請に使う写真は、この記事の手順の外にあります。要件は用途ごとに異なり、加工の可否を含めて受理の判断は提出先の機関が行います。用意する前に各機関の公式案内を確認してください。シャインフォトは公的申請用途には対応していません。この記事で扱っているのは、履歴書やエントリーシートなど民間の提出物です。
この5工程のうち、シャインフォトが代わりにやるのは工程3から5です。スマホで撮った1枚をアップロードすると、背景の無地化・明るさ・縦4:横3への切り出しまで進んだ履歴書サイズのデータが出てきます。裏返すと、工程1と2の失敗は引き受けられません。逆光と自撮り距離の2つだけは、上の手順どおりに自分の手でやってください。処理の範囲は背景・明るさ・規格サイズに限っていて、目や鼻や輪郭は入力した写真のまま出てきます(動かさない部分は補正ポリシーに列挙してあります)。買う前に、無料のプレビューで元の写真と見比べられます。ブラウザで完結する証明写真アプリ「シャインフォト」なので、インストールもアプリストアでの検索も不要です。2026年7月時点で1枚¥580の買い切りです。