入館証の写真は、基本的に社員証の写真と同じ要件で用意できます。会社が確認するのは撮影場所ではなく、規格・背景・写りの3点だからです。ただし入館証には社員証と違う点が1つあります。発行元が自社ではなくビル管理会社になるケースがあることです。この違いによって、提出先・提出方法・更新のタイミングが変わります。

以下、社員証との共通点を先に整理したうえで、入館証特有の実務ポイントを解説します。

社員証と入館証、写真要件はほぼ共通

写り・背景・データ形式の基準は、社員証で求められるものとほぼ同じです。

項目基準
撮影手段指定なければスマホ撮影で可
背景無地(白・グレーが無難)
縦横比3:4(縦長)が汎用的
データ形式JPEG、500KB〜2MB程度
表情正面・無表情に近い自然な表情

撮影のコツやサイズの詳しい考え方は、社員証写真向けにまとめた内容がそのまま使えます。「社員証写真はどこで撮る?迷わないガイド」「社員証写真のサイズ・規格一覧」を先に読んでおくと、撮影で迷う点はほぼなくなります。

発行元によって提出フローが変わる

入館証で注意すべきなのは、誰が入館証を発行しているかです。自社ビルか、複合テナントビルかで実務が変わります。

発行元のパターン提出先特徴
自社発行(社員証兼用)総務・人事社員証の写真をそのまま流用できることが多い
ビル管理会社発行管理会社の窓口・専用システム会社とは別に、指定フォームでの提出を求められる
テナント共通の入退館システム管理会社経由、会社が取りまとめ会社がまとめて提出し、個別提出は不要なことが多い

複合ビルに入居している会社では、社員証とは別に管理会社発行の入館証がある場合があります。この場合、写真の提出先は総務ではなく管理会社側になり、専用のオンラインフォームや指定サイズのデータを別途求められることが珍しくありません。案内メールの送信元が総務か管理会社かで、提出ルートが変わると考えておくと迷いません。

在宅勤務・出社頻度が低い人も提出は必要

在宅勤務やフレックス制度で出社頻度が低い社員でも、入館証の発行自体は出社日程にかかわらず必要になるのが一般的です。顔認証ゲートは事前登録した写真がなければ通過できないため、月に数回しか出社しない人ほど、写真データの提出を後回しにしないよう注意してください。出社初日に慌てて撮影するより、入社・異動が決まった段階でスマホ撮影を済ませておくと、当日の入館がスムーズに進みます。

兼務・出向で複数ビルに出入りする場合

出向や兼務で複数の拠点に出入りする場合、入館証はビルごとに個別発行されるのが基本です。同じ写真データを使い回せるかは発行元次第で、自社ビルと出向先ビルでは管理会社が異なることが多いため、それぞれの窓口に個別で写真を提出し直す必要があるケースがほとんどです。1つの写真データを複数の規格に流用したい場合は、最も小さいサイズ規定に合わせて撮影しておくと、あとはトリミングだけで済ませやすくなります。

一時入館証・訪問者証との違い

入館証には、社員が常時携帯するもの以外に、来訪者や外部業者向けの一時入館証があります。この2つは写真の扱いが根本的に異なります。

  • 常時携帯の入館証:事前に登録した顔写真をカードやシステムに登録し、繰り返し使用する
  • 一時入館証・訪問者証:来訪の都度、受付でその場の撮影またはゲスト用IDの提示で対応し、事前の写真提出は不要なことがほとんど

自分が用意すべきなのは前者、つまり継続的に使う入館証の写真です。一時的な来訪者対応であれば、この記事の内容は関係ありません。

セキュリティゲートでの照合を意識する

顔認証ゲートを導入しているビルでは、写真の「正面性」がより重視されます。斜め顔や、帽子・マスクで顔の輪郭が隠れた写真は、ゲート通過時に照合エラーを起こしやすくなります。眼鏡は反射で目が隠れない角度で撮る、前髪は目にかからないようにする、といった基本を徹底してください。

こうした照合精度への配慮から、入館証は社員証よりも短い周期で写真更新を求めるビルがあります。見た目が大きく変わった(髪型・眼鏡の有無・体型など)タイミングでは、指示を待たずに更新の相談をしておくと、ゲートでの足止めを避けられます。申し出のタイミングや伝え方に迷う場合は「社員証写真は更新できる?変えたいときの申し出方」も参考にしてください。

再発行・紛失時の写真はどうする

入館証を紛失・破損した場合の再発行は、多くのビルで即日〜数日かかります。この間は仮の入館証や受付での都度対応になるため、業務への影響が出やすい点です。

再発行時に新しい写真提出を求められるかはビルの運用次第ですが、登録から一定期間が経っていれば、再撮影を求められることが多いと考えておくと手戻りが減ります。手元に規格の合う写真データを保存しておけば、再発行の手続き自体はスムーズに進みます。データの保管形式に迷ったら、社員証写真と同じ3:4・JPEGで統一しておくのが無難です。

退職・異動時の写真データの扱い

退職や異動でビルから離れる際は、入館証本体の返却に加えて、登録した顔写真データの扱いも確認しておくと安心です。自社発行の入館証なら社内規定に従いますが、ビル管理会社発行の場合、写真データが管理会社側のシステムに残り続けることがあります。退去時の削除申請の要否は、入居時の案内や管理規約に記載があるはずなので、返却手続きのタイミングで合わせて確認してください。

提出前の確認事項

  1. 入館証の発行元は自社か、ビル管理会社かを案内メールで確認する
  2. 提出先(総務か管理会社の窓口か)とデータ形式の指定を確認する
  3. 社員証用の写真があれば、規格が一致するか確認したうえで流用を検討する
  4. 顔認証ゲートの有無を確認し、ある場合は正面性を特に意識して撮り直す

データでの送り方やファイル名の付け方に迷ったら、「証明写真をデータ化する5つの方法」も参考にしてください。


シャインフォトは、スマホで撮った1枚から背景の無地化・明るさ補正・指定サイズへの規格調整を行うサービスです。顔の造形には一切手を加えないため(何をしないかは補正ポリシーに明記しています)、顔認証ゲートでの照合にも影響しません。プレビューは無料で、気に入ったら1枚580円です。社員証写真の全体像は「社員証写真 完全ガイド」からどうぞ。